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知ってるようで、深くは知らない「OTTとCTV」とは。基礎的なことから、広告市場にもたらす価値までを細かく解説!

こんにちは。UNICORN株式会社です。

デジタル広告業界では近年、OTT・CTVという単語を目にすることが増えてきました。

急成長中のOTT広告領域は、ブランディングを目的とした広告のみならず、アプリ広告などの獲得を重視した広告にとっても、きわめて利用価値のある存在です。

UNICORNにおいても、ディスプレイ広告や、Apple Search Adsの広告配信に加え、昨年からこの、OTT広告の配信が行えるようになりました。

本記事では、そんな話題のOTT・CTVについての定義や特徴、市場の概況についてお話します。

OTT・CTVとは

はじめに、動画配信サービスにおける、OTTとCTVの定義を整理しておきます。

OTTとは「Over The Top」の略称で、テレビやラジオのような電波による「放送」や「ケーブル」ではなく、インターネットによる配信によって、動画や音声コンテンツが楽しめるサービスを指します。

具体的な動画配信サービスとしては、NetflixやTVer、YouTubeなどがこれに当たります。

対して、CTVは「Connected TV」の略称で、動画コンテンツを視聴するためにインターネットに接続できるデバイスを指します。具体的には、Amazon Fire TV、Apple TV、PlayStationなどがこれに当たります。

つまり、動画コンテンツを提供するサービスがOTTであり、それらをTVで視聴する手段としてのデバイスがCTVとなります。それぞれの役割をディスプレイ広告でたとえるなら、広告が掲載されるWEBサイトやアプリがOTT、スマホやPCといったデバイスがCTVに該当します。

OTTの定着、広告市場の拡大

ではなぜ、昨今、デジタル広告業界において、OTT・CTVという単語を目にすることが増えてきたのでしょうか。

大きな要因の一つは、コロナ禍による可処分時間の増加です。OTTは、時間に余裕がある時に利用される、いわゆる巣ごもり需要を満たすのに最適なコンテンツ。コロナ禍が落ち着いた現在においても、その生活習慣は人々に定着しています。

たとえば、ABEMAによる、FIFAワールドカップカタール2022の全試合中継は、OTTの大きな成功例の一つ。地上波とABEMAの両方で生中継された、日本VSクロアチア戦は、個人視聴としてはおおよそ同等の記録(https://news.yahoo.co.jp/articles/7eb222bf96146d2f4c6848c89b5bde2c9f55e36b)を残したようです。

また、民放公式テレビ配信サービスのTVerでは、2022年7月にアプリのダウンロード数が5,000万を突破(https://www.screens-lab.jp/article/28141)しているなど、顕著な成長が見て取れます。

OTTの市場が拡大することに比例し、CTVの国内広告市場も大きく伸長しています。その市場規模は、2020年から2021年にかけ、対前年比337%。今後も、高い水準での成長を継続すると予想されています(SMN調べ)。また、多チャンネル文化を持つアメリカでは、近年、有料TVからストリーミングサービスへの移行が進んでおり、広告主も従来型のTV広告から、デジタル広告へ大きくシフトする傾向が見られています。

OTT配信を視聴するユーザー層

それでは、実際にどのようなユーザー層が、OTT視聴しているのでしょうか。

下の表は、年代・性別ごとに、よく視聴する映像・動画の種類(単位% | 複数回答)を調査したものです。ここでは、動画共有サービス、無料の動画配信サービス、有料の動画配信サービスが、OTTに該当します。

参照|動画配信ビジネス調査報告会2021(https://research.impress.co.jp/topics/list/video/625)より一部抜粋

10代の男女、20代男性においては、リアルタイムのTV番組を、OTTである動画共有サービスが上回っており、20代女性と30代男性は同等の数値となっていることがわかります。

また、男女共に40代以降もOTTを視聴するユーザーが一定数いることから、さまざまな年代にリーチできるコンテンツに成長していると読み取れます。

OTT広告の特徴

ここからは、OTT広告の特徴を見ていきます。各サービスによって、多少の違いはありますが、おおむね共通するのは以下の点です。

広告の配信タイミング

例えば、リアルタイムで放送するテレビCMには、2つのパターンが存在します。1つ目は、異なる番組の間に出稿されるテレビCM。そして2つ目は、ひとつの番組の放送時間内に出稿されるテレビCMです。これらのテレビCMは、さまざまな広告が連続して流れる仕組みが、一般的な形です。

一方、OTTは、テレビCMとは異なり、ユーザーが視聴したいコンテンツを選択し、再生を行うという作業が発生します。そのため、コンテンツが配信される前に動画広告が流れ、また、さまざまな動画広告が連続して配信されることが少ないのが特徴です。

他にも、ユーザーが動画広告に興味がない場合に選択できる、スキッパブルの対応を行ったり、動画広告の秒数を表示したりなどの、テレビCMにはない工夫が垣間見られます。

「OTT・CTV」広告は、配信設計や計測が可能

上記で述べた以外にも、OTT広告とTVCMには、多くの違いが存在します。その大きな違いの一つに、広告の配信設計や計測が可能である点が挙げられます。

広告の配信設計は下記のようなことが可能です。

(例)配信設計
- デバイス
- 属性データ
- インタレストデータ
- リターゲティング
- 番組指定
・・・等

アプリ広告に関しては、モバイル計測パートナー(MMP)により、OTT広告の計測が可能となります。

なお、このような配信設計や計測に関しては、広告配信事業者(サービス)によって仕様や設計が異なるため、マーケティングの目的に応じて相談をし、配信先の媒体を選定するのがおすすめです。

OTT広告の課題と展望

OTT広告は、昨今、急速に成長を続けている領域だからこそ、多くの課題も浮き彫りになっています。

中でも、動画広告の“視聴のシチュエーション”は、広告価値を測るにおいて、大きな課題の1つでしょう。

この課題を、下記のユーザー例を参考に考えます。

- CTVを活用し、VODサービスで自ら検索を行い、新作TVドラマを視聴しているユーザー
- 電車に乗っている時、動画共有サービスを利用し、音楽を聞いているユーザー

一見、この2つのパターンは、動画コンテンツを再生している、という点では同義ですが、ユーザーがコンテンツを視聴する動機や目的、端末は全く異なるため、1つのインプレッションに対する価値には大きな差が出ると考えてよいでしょう。

本当に届けたいユーザーに対し、価値ある広告を届けていかなければならない。このテーマは、世の中の広告全てに当てはまることですが、OTT広告も、こうした課題に向き合う必要があると私たちは考えています。

また現状、市場はまだまだ成長過程にあるため、計測と評価などのレポーティングの仕組みがそこまで整っていません。そのため、先述した「本当にユーザーにとって価値あるものとして届いたのか否か」の判別も、うまくできていない可能性があります。

仮に今後、それらの環境が整えば、OTT広告市場はさらに拡大することでしょう。

次回の記事では、UNICORNによるOTT広告の配信の仕組みについて、またその配信実績についてご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。


UNICORN

デジタルマーケティング業界の指標となるべくして生まれた「全自動マーケティングプラットフォーム」です。DisplayやApple Search Ads、OTT/CTVへの配信にご興味がある方はお気軽にお問合せくださいませ。


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