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なぜ、UNICORNでIncrementality計測をおこなったのか?- 途中経過報告

こんにちは。UNICORN株式会社です。

以前「【PRODUCT UPDATE】アプリのアトリビューション判定における基準見直し」という記事内で、Display配信におけるUNICORN独自のインクリメンタリティ計測を実施していることをお伝えさせていただきました。この度、その内容についての途中経過を報告させていただこうと思います。

💡 インクリメンタリティ計測:広告を見た人のグループ(実験群)と見ていない人のグループ(対照群)の態度・行動変容の結果を比較することで、その広告がもたらした価値を判断する為の計測手法。従来テレビCMや屋外広告は、この方法と類似の仕組みを利用することが主流だった。

では、皆さんにさっそく質問です。アプリプロモーションをする中で
・テレビCMを流したタイミングでオンライン広告経由の獲得効率が上がったけど、これってオンライン広告の効果?
・アプリ内イベントを開始したタイミングでオンライン広告経由の獲得効率が上がったけど、これって本当にオンライン広告の成果?

このような疑問を持たれたことはないでしょうか?

これらの点に関して私たちも以前から疑問を抱いており、アプリマーケティングに携わる企業として、早い段階で解明しなくてはならないと考えていました。

そこで今回はこれらの疑問に答えを出すべく、UNICORN独自のインクリメンタリティ計測を実施し、そこで得られた知見やデータを共有させていただこうと思います。

UNICORN独自のインクリメンタリティ計測について

現在、アプリのトラッキング方法としては、クリックスルーコンバージョンとビュースルーコンバージョンの二種類が主流です。

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アプリ広告が始まったばかりの頃は、広告へのクリックのみが、その成果を判定する判断材料になっていました。しかし技術の進歩により、動画広告を配信できるプラットフォームが登場。直接広告をクリックせずとも、広告視聴がInstallなどの成果に影響をもたらすことにつながると判断されるようになりました。

💡 広告配信プラットフォームによっては、一定の基準をクリアするとクリックとして通信を送るものや、すべてのビュースルーを“クリック”として通信しているものもありますので、注意が必要です。

ユーザーがスマホ画面に表示されている広告をクリックし、コンバージョンをする。この一連の流れは、広告がクライアント様・ユーザー様ともに直接的な価値につながることは明白です。その一方で、ビュースルーコンバージョンは、本当にその広告がユーザーに影響をもたらしたのか、直接的な価値を届けられたかどうかは判断がつきにくいものです。

例えば、ビュースルーは広告が画面に表示された時間がたった数秒でも「ユーザーに見られた」と計測されます。しかしこの仕様では、ユーザーがその場でアプリ広告のことを視認せず、気にも留めなかった、ということは大いにあり得るでしょう。

とはいえ、データとしてはユーザーが広告を見たという計測がされています。そのため、仮にビューが計測された後にTVCMや屋外広告などを見て、そのアプリが気になり結果的にコンバージョンとなった場合でも、スマホへの広告配信によるビュースルーコンバージョンと判定されてしまうのです。

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そこでUNICORNでは、憶測による判断ではなく、根拠のある実績をベースにこの実態を証明しようと動き出しました。

クリックスルーコンバージョンの直接的な価値がビュースルーコンバージョンと同等の価値であるのかを検証すべく、インクリメンタリティ計測を下記のように実施することにしたのです。

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(補足)お客様のクリエイティブに、UNICORNのクリエイティブを混在させ、ビュースルーコンバージョンの計測を行います。

■なぜインクリメンタリティ計測を利用すると実態が明らかになるのか

例えば、広告表示が10,000回行われているキャンペーンにおいて、ビュースルーコンバージョンが100件発生している配信があるとします。
では、そのうち1,000回の広告表示をお客様のクリエイティブではなくUNICORN(を紹介する広告)のクリエイティブにした場合、どのような結果になるでしょうか?

1,000回の広告表示をUNICORNのクリエイティブに置き換えているため、もし、広告表示に起因して100件のビュースルーコンバージョンが発生しているのであれば、お客様のクリエイティブ経由のビュースルーコンバージョンは10件減少し、UNICORNのクリエイティブ経由ではビュースルーコンバージョンが発生しないはずです。

一方で、広告表示に直接的な価値がなく、別の要因でコンバージョンが発生したものを計測してしまっている場合では、表示されている広告の内容に関係なくビュースルーコンバージョンが発生することになります。
そのため、広告枠毎にUNICORNのクリエイティブの表示回数とそれに紐づくビュースルーコンバージョンの発生数を観測することで、各広告枠の広告表示が直接の因果関係のないビュースルーコンバージョンの発生にどれだけ影響を与えているのかを明らかにすることにしました。

この結果、判明したことがいくつかあります。

ひとつに、「お客様のクリエイティブ経由のビュースルーコンバージョン」と「UNICORNのクリエイティブ経由のビュースルーコンバージョン」を観測した結果、直接的な価値のある広告枠と、そうではない広告枠が存在することがわかりました。

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広告枠にはレクタングル枠やインフィード枠などといったさまざまな種類があります。その中でもスマホ画面の上部・下部などに“固定の広告枠”が配置されている場合、直接的な価値ではないビュースルーコンバージョンが計測されやすいという傾向がみえてきました。

ただ、その“固定の広告枠”の中でも、ビュースルーの直接的な価値が高いものと低いものが存在しています。今回の調査により、その要因は「広告ローテーションの秒数(頻度の高さ)とその広告がローテーションする際のユーザーの滞在時間(同一広告枠の連続表示時間)(※)」であるという認識が私たちの中では強くなりました。

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(※)広告がローテーションする際のユーザーの滞在時間(同一広告枠の連続表示時間)とは

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この検証結果から次のように考えることが可能です。

UNICORNクリエイティブのCVの上がりやすさ=

広告ローテーション有無 × 広告ローテーション秒数 × 広告ローテーションの滞在時間​

さらに、お客様のアプリや広告配信プラットフォーム、広告掲載媒体の要素も掛け合わせると

UNICORNクリエイティブのCVの上がりやすさ=

広告ローテーション有無 × 広告ローテーション秒数 × 広告ローテーションの滞在時間 × お客様のアプリのオーガニックインストールの多さ × 広告配信プラットフォームのアトリビューション条件の緩さ × 広告掲載媒体の起動頻度の高さ​

このように展開することができると考えています。

UNICORNのインクリメンタリティ計測の今後

今回のご報告はここまでとなります。

UNICORNでは今回の調査の結果から、「お客様のクリエイティブ経由のビュースルーコンバージョン」と「UNICORNのクリエイティブ経由のビュースルーコンバージョン」の差によって“直接的な広告価値のウエイト”が存在すると考えたため、現在はそのウエイトに合わせて入札を行う調整を開始しています。

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このテストによってどのような結果がおきるのかは、また後日noteにて報告をさせていただく予定です。

今回は、UNICORN独自のインクリメンタリティ計測により、ビュースルーコンバージョンの直接的な価値について検証を行ないました。検証によって、当初抱いていた疑問に対する答えは出たと私たちは考えていますが、例えば広告枠Cのような枠に関して間接的な価値がある可能性があるのではないかなど、いくつかの仮説も新たに生まれたことも確かです。こういった部分に関しては、別の評価方法を用いて検証を行っていくべきだと考えております。

なお、この場をお借りして、このインクリメンタリティ計測にご協力頂いているクライアント様にお礼を伝えさせて頂ければと思います。誠にありがとうございます。

このような問題はUNICORNに限らず、すべての広告配信プラットフォームが抱える課題です。この課題を解決することにより、クライアント様や広告を掲載する媒体様の事業成長につながり、またユーザーの皆様に価値のある広告をお届けすることができるでしょう。そして、UNICORNは広告配信プラットフォームとして、このような課題を解決し、広告自体の価値感を変えていく使命があると考えています。

今後もステークホルダーの皆さまと一緒に、正しい広告のあり方に向けて議論を深めていくことができれば幸いです。

UNICORNではこのような取り組みに共感いただき、新しい挑戦に対しても一緒に楽しめる仲間を募集しております。

それでは引き続き、UNICORNをよろしくお願いいたします。


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