8つの主要アプリジャンルからみる、Apple Search Adsのベンチマーク — アプリジャンル別の主要指標まとめ Vol.2
今回の記事では、Apple Search Adsにおける各アプリジャンル別の“主要指標”を、ベンチマークとして皆さんと共有させて頂きます。
昨年、6月に下記のベンチマークを公開させていただきました。
今回は、そのアップデートとして2021年7月〜12月までのデータを集計し、更新させていただきます。
前回公開した記事でも書かせていただきましたが、こちらのデータの公開の背景は下記の通りです。このような疑問や困りごとを抱いている方も多いのではないかと思い、共有をさせていただきました。
なお、Apple Search Adsのパフォーマンスは、関連性あるキーワード、予算感、目標獲得単価、スクリーンショット、セグメント活用などによって成果が大きく異なります。そして、今回の調査データはそれぞれ異なる条件にある各キャンペーンをまとめた結果なため、皆さんが取り組んでいるキャンペーンでも同じ数値が出るというものではありません。
しかしながら、自社のデータと比較しての参考値、そして改善する余地のある指標などを考えてみる良いきっかけとしては、ご活用頂けるかと思います。ぜひご参考ください。
調査概要
今回の調査は、2021年7月から2021年12月までの6ヶ月間、UNICORNのApple Search Ads最適化エンジンにより国内向けに配信した、45個のアプリを調査対象にしています。
分析したデータは、下記の8つのアプリジャンルになります。
なお、こちらの各ジャンルは、弊社にてアプリの内容を確認した上で独自で分類したものになります。
データの見方
8つの各アプルジャンルにおける分析結果を上のようにまとめました。
イメージの左側はバブルチャートで、全てのジャンルの中で特定ジャンルが位置するポジションを表します。
横軸(x)はCVR、縦軸(y)はTTR(タップスルーレート = CTR)の中央値で、これらが交差する位置に、該当ジャンルを円で表示しています。円の大きさは、TTRとCVRを掛けた値となります。
右上は費用に関連する指標であり、CPT(Cost Per Tap = CPC)とCPA(CPI)を表します。そして、グレー色のボックスは該当ジャンルの90%のデータが含まれる区間を意味します。つまり、10%の極端のデータを除き、殆どのデータ指標はこの範囲であることを意味します。その区間の真ん中が中央値、左の下限が90%区間内の最低値、右の上限が90%区間内の最高値です。
右下は、TTRとCVRをブランドキーワードとそれ以外のキーワードで比較したバーグラフです。同じく、こちらにも中央値が使われています。
では、これからApple Search Adsにおける各ジャンルのベンチマークを見てみましょう。
8つの主要ジャンルからみるApple Search Adsのベンチマーク
▼RPG
2021年6月 ~ 2021年12月(6ヶ月間)におけるRPGのベンチマークは、TTR(CTR)が 6.67%、CVRが44.36%となりました。もっとも高かったTTRは4.64%、CVRが35.77%となりました。もっとも高かったTTRは5.72%、CVRは39.10%です。
CPT(CPC)のベンチマークは257円で、241円 ~ 274円の幅、CPA(CPI)は707円で、628円 ~786円の幅が形成されております。
キーワード区分による比較でブランドキーワードのTTRとCVRは、24.95%と69.68%、ノンブランドキーワードのTTRとCVRは、2.77%と19.83%でした。
前半年の結果と比較するとCPAのレンジが狭まり中央値で獲得ができているキャンペーンが増えている印象です。CPTはほぼ変わっていないことから、当該ジャンルでの入札の相場が高騰/低落していることはなさそうで、維持の状態であると言えます。
▼MMORPG
MMORPGにおけるベンチマークは、TTR(CTR)が 9.31%と、全ジャンルの中央値6.41%と比べると高めの数値になっています。しかし、CVRは35.02%と、全ジャンルの中央値45.34%と比べると、やや低い数値となっています。
CPT(CPC)のベンチマークは559円、CPA(CPI)は1,661円と、CPT、CPAどちらも全てのジャンルの中で最も高いジャンルとなりました。前回の調査でも同様の結果となっており、これは、引き続き、入札の競争が激しいジャンルであるということがわかるデータでもあります。前回の考察と同じ内容にはなりますが、よりコアなファンがプレイしているイメージがあるジャンルであるため、ターゲットが多少狭いことが影響しているかもしれませんが、その分しっかりと入札強度を確保していく必要があるジャンルと言えるでしょう。
▼ACTION GAME
アクションゲームのベンチマークは、TTR(CTR)が3.11%と全ジャンルの中央値よりも低め、CVRはほぼ同等の41.41%を記録しました。
費用指標においては、CPT(CPC)、CPA(CPI)ともに最も低い位置にポジションされております。CPTは294円がベンチマークで256円〜306円の範囲、CPAは753円がベンチマークで625円〜881円の範囲で獲得されています。全ジャンルの中央値に近い結果で獲得ができているジャンルであると言えます。
▼BOARD GAME
ボードゲームのベンチマークは、TTR(CTR)が9.49%、CVRが71.08%と、両指標共に前回の調査の際の結果同様に、最も高い数値を記録したジャンルでした。そして、最も低い値でも、CTRが7.82%、CVRが67.13%と、高い水準にある傾向が見られています。
この影響は、費用的な部分でもプラスに働きます。CPT(CPC)は238円と全ジャンルの中央値より少し低い数値ですが、CPA(CPI)は284円〜406円の価格帯として、非常に安い水準でユーザー獲得が行われる結果につながっています。
▼MUSIC GAME
音楽ゲームにおけるTTR(CTR)、CVRのベンチマークは、8.01%と57%を記録し、こちらも引き続き、全ジャンルの中では高い結果となっています。
CPT(CPC)は中央値が286円として、全ジャンルにおける中央値とほぼ同水準で価格帯が形成されていますが、高いCVRの影響でCPA(CPI)は503円と、比較的に安い価格帯で獲得が行われています。
なお、このジャンルも前回の考察と同じく、根強いファンが付いていると考えて良いでしょう。ゆえにノンブランドキーワードのCVRが比較的高く、1人のユーザーが同ジャンル内のいくつかのタイトルを横断してダウンロード、利用をしている傾向が多そうです。
▼SIMULATION GAME
シミュレーションゲームは、前回同様、TTR(CTR)、CVR共に全ジャンルの中央値よりは多少低い傾向を見せています。ただし、高いアプリの場合は、TTRが8.06%まで、CVRが38.82%まで記録するケースもありました。
引き続き、CPT(CPC)とCPA(CPI)においては、それぞれ296円、849円と両方とも高い水準となっていますが、各データによるばらつきが大きいジャンルでもあり、アプリによる好みが別れる傾向が強いジャンルであることが起因している可能性も考えられます。
▼OTHER GAME
今までカバーした6つのゲームジャンルに含まれない、その他ゲームにおけるベンチマークです。TTR(CTR)は3.33%、CVRは24.02%として全般的に低い位置でポジションされています。
CPT(CPC)は170円〜213円で価格帯が形成され、CPA(CPI)は757円~1,374円の間で獲得されている傾向が見られます。
▼NON-GAME
最後はゲーム以外のジャンルです。TTR(CTR)は5.38%と全ジャンルの中でも低いですが、CVRは55.05%と高い水準です。
費用の観点では、CPT(CPC)が192円〜320円、CPA(CPI)が392円〜705円の価格帯が形成されています。ゲーム以外のジャンルと言っても、それぞれ個別のジャンルが存在するため、偏差値のばらつきはあります。ただ、こちらも前回調査の結果と同様に、引き続きゲームに比べて安く獲得できるというデータが見られました。
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以上、Apple Search Adsにおける主要指標のベンチマークを、各アプリのジャンル別に調べてみました。
前回の調査結果から各ジャンルでの大きな変動はみられませんでしたが、自社のデータと比較してみる参考値、指標改善の予知などを考えてみるきっかけとして、ご活用頂ければと思います。
なお、冒頭でお伝えさせて頂いた通り、目標獲得単価、関連性あるキーワード、予算感、スクリーンショット、セグメント活用などによって成果が大きく異なりますので、必ずこのような結果になるという話ではありません。この点はご了承ください。
付録資料として全ジャンルのTTR、CVR、CPT、CPAのポジションと、数値などを一覧で整理したグラフを添付させて頂き、本記事は終わりにさせて頂きます。最後までお読み頂き、ありがとうございました。
付録
▼TTRとCVRのジャンル別ポジション
▼ CPTとCPAのジャンル別ポジション
▼ TTRとCVRのジャンル別数値一覧
▼ CPTとCPAのジャンル別数値一覧
UNICORN
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