UNICORN、JICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機関)で「品質認証事業者」として認証
UNICORNは2021年11月1日付けで、JICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機関)が認証する「品質認証事業者」として認証されました。
JICDAQは、デジタル広告が、生活者や企業、そして社会にとって有益であることを願い、デジタル広告市場が健全に発展することを目指して立ち上げた認証機構です。
デジタル広告の品質課題のうち、まずは「アドフラウドを含む無効トラフィックの除外」と「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」の品質認証に取り組んでおり、UNICORNはこちらの両部門に認証されました。
簡単にこの二つの部門について説明すると、
「広告掲載品質に伴うブランドセーフティの確保」における認証は、違法なサイト等への広告掲載を排除すると同時に、広告掲載先の品質を確保するための対策を行なっていることを第三者機関が検証・確認し、JICDAQが認証することを指します。
「アドフラウドを含む無効トラフィックの除外」における認証は、 広告配信の観点で広告の成果の測定値に含めるべきではないトラフィックを除外する同時に、これらを検知・検出・除外する対策を行なっていることを第三者機関が検証・確認し、JICDAQが認証することを指します。
今回はUNICORNの認証に対するお知らせと共に、JICDAQや本認証について詳しく説明をさせていただきます。
JICDAQとは?
JICDAQ(一般社団法人 デジタル広告品質認証機構)は、日本アドバタイザーズ協会(JAA)、日本広告業協会(JAAA)、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の広告関係3団体によって設立された、一般社団法人です。すでに海外で実績のあるスキームを研究し、日本の実情に合った組織として構成されました。 (*1)
設立された背景には、昨今のデジタル広告において、アドフラウドやブランドセーフティなどさまざまな品質課題が提起され、またその認識が進むにつれてより実効的な取り組みのへの期待が高まっていることが挙げられます。
主な事業内容としては、以下の5点が挙げられます。
(1)デジタル広告の品質の確保に関する取組を認証するための基準の作成
(2)デジタル広告の品質の確保に関する取組についての認証の実施
(3)デジタル広告の品質の確保及び向上・改善に資する調査研究及び普及啓発
(4)デジタル広告の品質の確保に関する国内・海外諸団体との連絡協調
(5)その他当法人の目的を達成するために必要な事業
簡単に言えば、デジタル広告業界をより健全なものにしていこうとする団体です。
JICDAQの品質認証
JICDAQで品質認証を対象とするのは「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保(明らかに違法・不当な広告掲載先の排除)」と「アドフラウドを含む無効トラフィックの除外(“人”に届いていない広告配信の排除)」についての事業者の業務プロセスの有効性です。
広告に対する役割によって審査項目が少し異なりますが、4つの役割で分類されます。
⚫️ 広告購入者: 広告会社、広告主
⚫️ 広告取引仲介事業者: DSP、SSP、アドネットワーク、アドエクスチェンジ
⚫️ 広告販売社: 媒体社
⚫️ 広告配信・計測事業者
このうちUNICORNは「広告取引仲介事業者」としての検証が行われ、どのような対策と取り組みをしているのかを説明し、該当するエビデンスを提出。それを第三者機関による検証・確認が行われ、認証可否が判断されました。
具体的にどのような内容が検証されたのか。詳細は非常に広いので、大まかな項目で説明をします。
(1) 広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保 (*2)
認証事業者は、広告掲載先の品質を確保するため、各認証事業者において次の各号のいずれかに該当する違法なサイト等への広告掲載を排除する必要があります。
▼ 広告掲載不適切コンテンツカテゴリ
① 犯罪を肯定したり、美化するなどして犯罪を助⻑しているもの
② 売春や児童ポルノなどの猥褻⾏為や違法な性表現に関するもの
③ ⽣命の死や暴⼒表現などの醜悪、残虐な表現で不快感を与えるもの
④ 詐欺⾏為や悪徳商法などの消費者等を騙すもの
⑤ ヘイトスピーチなどの差別や⼈権侵害をしているもの
⑥ 偽ブランド品の販売や海賊版サイトなどの商標権や著作権を侵害するもの
⑦ 危険ドラッグなどの違法薬物の販売やそれらを肯定するもの
⑧ その他違法、不当な内容または社会通念上好ましくない内容が含まれているもの
また、広告掲載先の品質を確保するために、下記に記載のある具体的な対策を行う必要があります。
1. ポリシーの整備・説明・通知
⚫️ ブランドセーフティに関する対応の有無を対外的に明⽰。利⽤規約や各取引先との契約書等にブランドセーフティ対策に関する条項等を記載。
⚫️ 各取引先との契約時における相⼿へのポリシーの説明、通知等。
2. 取引先に対する審査
⚫️ 各取引先が既知の⾮合法な集団や個⼈でないこと、特定可能な相⼿であること、等の確認。
⚫️ 各取引先への関連する業界団体の会員資格や、他の第三者機関による認定等の有無の確認。
3. 内部プロセス等の整備
⚫️ ブランドセーフティに対処する担当者の配置と、独⽴した機能(権限)の付与。
⚫️ ブランドセーフティに対処する担当者へのブランドセーフティに関する内部プロセス等の教育体制の整備。
⚫️ ブランドセーフティに関する社内プロセス等の評価の実施。
⚫️ 広告掲載先に関するブランドセーフティ状況の管理。
⚫️ ⾃社サイト、コンテンツや、取り扱い広告在庫に関するブランドセーフティ状況の管理。
4. 技術的対策の導⼊、確認
⚫️ 適切、不適切な広告掲載先リストの管理やリストによる配信機能の対応。
⚫️ 広告掲載先の指定を可能とする機能や不適切と判断された広告掲載先への広告掲載を停⽌する機能の対応。
⚫️ 各取引先がリストによる配信機能を備えているか、指定による広告掲載先への広告掲載、掲載停⽌機能に対応しているか等の確認。
5. 関係機関より提供される情報の利⽤、確認
⚫️ ⾃社のブランドセーフティ対策に関するIHCリスト、CODAリストおよび将来提供される同様の情報等の活⽤。
⚫️ 取引先によるIHCリスト、CODAリストおよび将来提供される同様の情報等の利⽤状況の確認。
6. 第三者の機能の利⽤、補完の選択
⚫️ 必要に応じて⾃社システムやサービス等への第三者によるブランドセーフティ対策に関する機能の利⽤。
7. 取引先への合理的な協⼒
⚫️ 取引先がブランドセーフティの状況を把握したい場合の合理的な協⼒。
(2) アドフラウドを含む無効トラフィックの除外 (*3)
認証事業者は、広告トラフィックの品質の確保するため、無効なトラフィックを排除する必要があります。
無効なトラフィックとは、広告の品質の観点で広告の成果の測定値に含められるべきではないトラフィックと定義されており、その中でも“一般的な無効なトラフィック”と、“悪質のある無効なトラフィック”の2種類に分かれています。
▼ 一般的な無効なトラフィック例
⚫️ データセンター:データセンターのサーバーからの広告トラフィック。IPアドレスが無効なアクティビティと関連したもの(例: 既存のデータセンターIPなど)
⚫️ 既存のクローラー:コンテンツをリクエストし、さまざまな識別メカニズムで自らを非人為的であると宣言するプログラム、または自動化スクリプト(例:Webクローラー、スパイダー、ボット、サーチエンジングロールなど)
⚫️ 不規則なパターン:非表示で自動再読み込みを行うトラフィックや重複クリックなど、既存の不規則なパターンに関連した、一つ以上の属性(ユーザーのCookieなど)を含む広告トラフィック(例:自動反復させているトラフィック、広告の事業再読み込み、重複または期限切れのクリックなど)
▼ 悪質のあるトラフィック例
⚫️ 自動ブラウジング:主にボットネットなど、ユーザーの関与がなく、かつクローラーであることを宣言することもなく、ウェブコンテンツ(デジタル広告を含む)のリクエストを行うプログラムまたは自動化スクリプト(例:ボットネットなど)
⚫️ 虚偽の表⽰:実際と異なる広告インベントリのリクエスト。実際の広告が異なるウェブサイトやアプリケーション、デバイス、またはその他のターゲット(地域など)に表示されている広告リクエストなど(例:計測なりすまし、ドメインなりすまし、実在するユーザーのデバイスに偽装したエミュレータ、パラメータの不整合(トランザクションやブラウザ/エージェントパラメータの不一致)など)
⚫️ 紛らわしいユーザーインターフェース:ウェブページ、アプリケーション、またはその他の視覚的要素を変更し、1 つ以上の広告を不正に含むようにしたもの。ユーザーには⾒えないように広告をレンダリングをしたり、パブリッシャーの同意なしに広告挿⼊をしたり 、ユーザーを騙して広告をクリックをさせたりすることを含む(例:広告スタッキング、広告の⾮表⽰ 、クリックジャッキング、ポップアンダーなど)
⚫️ 操作されたビヘイビア:意図しないクリック、予期せぬコンバージョン、不正なアトリビューションなど、ユーザーの同意なしに広告インタラクションを誘発するブラウザ、アプリケーション、またはその他のプログラム(例:アトリビューション操作、偶発的なトラフィック、強制的な新規ウィンドウの表⽰、モバイルアプリケーションの強制的なインストールなど)
⚫️ インセンティブの秘密利⽤:⾦銭的またはその他のインセンティブを無効かつ⾮公開に利⽤することでユーザーに1つ以上の広告を操作させる⾏為。既知または取引する第三者に適切に開⽰されているインセンティブによる取引は含まれない(例: クリック ファーム、報酬型のクリックなど)
⚫️ その他の分類:既知のどのカテゴリにも分類することができない、または開⽰できない機密性の⾼い無効なトラフィック(例:特定のカテゴリに分類できないトラフィック、分類を開⽰できない機密性の⾼い無効なトラフィックなど)
また、無効トラフィックの感知や除外に関しては、下記に記載のある具体的な対策を行う必要があります。
1. ポリシーの整備・説明・通知
⚫️ IVT(Invalid Traffic, 無効なトラフィック)の検出や除外に関する対応の有無を対外的に明⽰し、利⽤規約や各取引先との契約書等にIVTを発⽣させることの禁⽌条項等を記載。
⚫️ 各取引先との契約時における相⼿へのポリシーの説明、通知等。
2. 取引先に対する審査
⚫️ 各取引先が既知の⾮合法な集団や個⼈でないこと、特定可能な相⼿であること、等の確認。
⚫️ 各取引先への関連する業界団体の会員資格や、他の第三者機関による認定等の有無の確認。
3. 内部プロセス等の整備
⚫️ IVTに対処する担当者の配置と、独⽴した機能(権限)の付与。
⚫️ IVTに対処する担当者へのIVTの検知と除外に関する内部プロセス等の教育体制の整備。
⚫️ IVTの検知や除外に関する社内プロセス等の評価の実施。
4. 第三者の機能の利⽤、補完の選択
⚫️ 必要に応じて⾃社システムやサービス等への第三者によるIVTの検知や除外に関する機能の利⽤。
5. 業界が推奨する技術標準の導⼊等の対策および利⽤状況の確認
⚫️ リストの適⽤やパラメーターチェックによるフィルタリングの運⽤とリストや運⽤の評価の実施。
⚫️ (app-)ads.txt、Sellers.json、Supply chain Object等の技術標準を尊重し、⾃社のIVT対策への必要に応じた活⽤。
⚫️ 各取引先への(app-)ads.txt、Sellers.json、Supplychain object等の利⽤状況の確認。
6. 取引先への合理的な協⼒
⚫️ 取引先がIVTのトラッキング状況を把握したい場合の合理的な協⼒。
以上、JICDAQとJICDAQの品質認証について説明させて頂きました。
私たちUNICORNも、引き続き「価値のある広告トラフィックのみを提供する」ことにこだわりながら、社会にとってより安全で有益なプロダクトの開発と発信を行い、クライアントの事業成長に貢献できるよう精進して参ります。
Reference:
*1. JICDAQ設立計画書
https://www.jicdaq.or.jp/files/establishment_plan.pdf
*2. ブランドセーフティ認証基準:
https://www.jicdaq.or.jp/files/dl/dl_016.pdf
*3. 無効トラフィック対策認証基準:
https://www.jicdaq.or.jp/files/dl/dl_017.pdf
UNICORN
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