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【登壇レポート】ブランドマーケティングにおける アプリ広告活用のこれからと課題

2024年9月24日(火)、PubMatic様が主催するイベント「PubAcademy Tokyo 2024」に、UNICORNのブランドマーケティングディビジョン ゼネラルマネージャーの前田大輔が「ブランドマーケティングにおける アプリ広告活用のこれからと課題」というテーマで登壇をいたしました。今回は、その登壇内容をご共有いたします。

PubAcademy Tokyo 2024とは

PubAcademyは、PubMaticが主催する独自の教育シリーズイベントです。
パブリッシャー、エージェンシー、ブランドが集まりデジタルエコシステムにおける重要な課題をわかりやすく解説しており、2014年に開始して以来世界中で60回以上開催されています。
今回のPubAcademy Tokyo 2024では、モバイルに焦点を当て、PubMaticのAPAC CROであるJason Barnes氏をはじめ、サイバーエージェント、The Trade Desk、fluct、HK01、UNICORNの業界リーダーと共にセッションが行われました。

以下は、前田の登壇内容を一部加筆し、まとめたものとなります。ぜひご一読ください。


UNICORNについて

まずは、UNICORNについてご紹介します。
UNICORNは、全自動のマーケティングプラットフォームです。
日本での広告配信を中心に、海外では台湾で広告配信を行っており、現在、タイでの広告配信を準備しています。

ブランド広告主向けには、ウェブのディスプレイ枠、アプリのリワード動画枠、ゲーム内広告(UNICORN In-Game AD)、YouTubeへのコンテキストターゲティング配信、AIカメラ付きサイネージを起点としたリテールメディア向け広告配信などを行っています。

今回は、アッパーファネル向けのブランドマーケティングを行っているブランド広告主が、アプリメディアにどのような事を求めているのかについて、お話しさせていただきます。

ブランド広告主が評価するものは何か?

ブランドの広告はオンライン上にCV地点がない業種や業態が多く、ほとんどの場合、オフラインのスーパーやコンビニ、ドラッグストア、自動販売機などで購入されることが圧倒的に多いです。オンライン上でCVを計測できるアプリマーケティング等のように、CPAを計測する広告配信を行いたくても、ブランドの広告ではCV計測ができません。

そのため、ブランド広告主が広告を配信する際、ユーザーが広告を見てその商品を買いたいと思ったかどうか、つまり、「ユーザーの態度変容」を評価することが多いです。

「ユーザーの態度変容」は、ブランドリフト調査で計測しています。広告接触者と広告費接触者それぞれのユーザーグループにアンケートをとり、グループごとにブランドの認知度、好意度、利用意向などの調査結果を分析し、広告による効果を判断しています。

では、「ユーザーの態度変容」を起こすために、広告配信で重要なことは何でしょうか。

下記は飲料メーカーのブランドリフト調査結果です。

飲料メーカーのブランドリフト調査結果
飲料メーカーのブランドリフト調査結果

青色が広告非接触者、赤色が広告接触者、黄色が広告に接触し、かつ広告を見たと認知している人のグラフです。

ここからわかることは、ただ単にImpressionをばら撒いて広告に接触させるのではなく、広告を見たとユーザーに認知してもらい、きちんと記憶してもらうことによって、ユーザーの態度変容に繋げることができるということです。

これまで、ユーザーが広告を見たかどうかという指標に使われてきたViewabilityという指標があります。もちろん、Viewabilityは広告を正しく評価するための重要な指標の一つですが、ユーザーのことを考えずに「Viewability=見られている」という表面上の数値だけを追いかけた結果、Viewability100%になる下部固定の枠や、コンテンツにオーバーレイしてくるような、いわゆる邪魔な広告枠が増えていることが現状の大きな課題です。

また、Open Measurement SDKの普及が進んでおらず、Viewabilityそのものが計測できないメディアも多くいるため、ブランド広告ではアプリメディアへの広告配信をしづらい状況にあります。

態度変容に寄与する要素/ユーザー体験価値の高い広告枠とは?

ここから、態度変容に寄与する要素についてご紹介します。

1つ目は、適切なユーザーへのターゲティング配信。
2つ目は、受容性の高いクリエイティブによるユーザーとのコミュニケーション。
そして3つ目は、ユーザーの体験価値が高い広告枠です。

きちんとユーザーのアテンションをひき、広告を見たということを認知・記憶してもらって、態度変容に繋げていくためには、これら3つが必要となります。

本日は、3つ目の「ユーザーの体験価値が高い広告枠」について、ご紹介していきます。

ユーザーの体験価値が高い広告とは?

ユーザーの体験価値が高い広告枠の説明の前に、まずは、「ユーザーの体験価値が低い広告」を説明します。「ユーザーの体験価値が低い広告」とは、インプレッションやクリックなどのアトリビューションを無理強いしたり、コンテンツの利用を妨げるような、不快な広告のことです。

逆に、ユーザーの体験価値が高い広告とは、大雑把にいうとユーザーが嫌がることを行わない広告のことです。

一般的なパフォーマンス広告では、CPAやROASが良ければ、どこにどんな風に広告が表示されているか、あまり意識されていないケースもあると思います。
一方、ブランド広告では、CV計測が出来ないケースが多いため、ユーザーの体験価値が高い広告枠を重要視する傾向にあります。

パフォーマンス広告とブランド広告の違い
パフォーマンス広告とブランド広告の違い

そのため、しっかりとユーザーに認知・記憶されやすい傾向がある、画面占有率や視認性の高い枠の需要が高まってきています。特に、弊社のリワード動画広告枠(UNICORN In-App Video)は配信機会が増えてきており、ユーザー体験価値が高い枠だと認識されています。

リワード動画広告の体験価値が高い理由

ではなぜ、リワード動画広告の体験価値が高いのでしょうか。

UNICORNのリワード動画広告は、広告を視聴することを事前に許諾をとる100%オプトイン仕様であり、画面内に広告以外の他のコンテンツが出ない、完全フルスクリーンで広告を配信できます。また、視聴完了率も高いので、ユーザーに最後までしっかりと届けたいメッセージを届けることができます。そのため、一般的なオーバーレイ広告やレクタングルの枠よりも、ユーザー体験価値が高いのです。

詳しくは下記をご一読ください。

また、パブリッシャーの方々向けに、収益性についても少し触れると、リワード動画のCPMは、他の一般的なディスプレイ枠の金額と比較しても10倍以上の価値があると判断されています。リワード動画広告に限らず、ユーザーの体験価値が高い広告枠は、かなり高いCPMが期待できます。

ユーザー体験価値の高い最新のゲーム内広告

ここからは、ユーザーの体験価値が高い最新の広告枠、ゲーム内広告(UNICORN In-Game AD)についてご紹介します。

ゲーム内広告とは、ゲームの世界観に溶け込み、ゲームプレイを阻害しない状態で広告を配信することができる広告です。
海外では、ハイブランドなど大手広告主の配信実績もあり、国内でも注目が高まっています。

ゲーム内広告の市場規模がグローバルで拡大している理由

現在のインターネット広告市場を下記のように整理すると、プライバシー保護の取り締まり強化、先進国のサービス規制強化や、Chat GPTやSNSによる検索行動の変化、オンラインゲーム市場が頭打ちになりかけていること、アプリケーションとハードウェアの技術革新によるARやVRコンテンツの登場など、様々な事象が起こっています。そして今後、これらがさらに加速していくと考えています。

PEST分析
PEST分析

これらの市場環境をふまえ、下記の理由により、ゲーム内広告は日本国内でも徐々に需要が増えてくると考えております。

・ウェブメディアと比較して、アプリメディアはすでにプライバシー保護の対応が進んでいること
・アプリメディアは検索行動の変化によるトラフィック現象の影響を受けないこと、
・技術革新によってARやVRコンテンツが登場し、今後日本のゲームコンテンツの3D化が進むと予測できること
・ゲームアプリ市場の頭打ちが追い風となり、広告でのマネタイズのニーズが増えること

また、従来のブランドリフト調査に加えて、店舗への来店計測や購買計測も可能なため、ブランド広告主が重視する観点での広告評価も可能になります。

ちなみにゲーム内広告は、数年前から存在して、鳴かず飛ばずの状況にあったと思います。これは、ブランド広告主向けに本気で事業展開した企業が日本に少なかったためだと分析しています。

ゲーム内広告の配信事例や詳細について知りたい方は、下記のnoteをご一読ください。


持続可能な広告業界のために

広告は本来、ユーザーが知らなかった商品やサービスを知るきっかけになったり、新しい気づきを得たりする、価値のあるものです。このような広告の本来の価値を守るために、ユーザーが嫌がることをしてはいけません。当たり前のことかもしれませんが、最近、邪魔な広告や、見たくないような広告がインターネット上に溢れています。

特に、ブランドマーケティングを行っているブランド広告主は、自社のブランドセーフティを守るため、ユーザーに嫌がられないような、ユーザーの体験価値が高い広告枠を求めています。そして、体験価値が高い広告枠こそが、広告出稿の増加となり、パブリッシャーの皆さまの広告収益に繋がっていくと思います。

UNICORNでは、研究開発や検証目的で行っているテスト配信をする際、誰が受け取っても価値のある情報を広告クリエイティブにして配信する、「みんなのためになる広告」プロジェクトを行っております。
微力ではありますが、広告業界に少しでも良い影響を与えることができれば嬉しいです。


本日は、ブランドマーケティングにおける アプリ広告活用というテーマでお話しさせていただきました。ユーザー、広告主、パブリッシャーが、Win-Win-Winとなる、持続可能な広告業界を目指していくための参考にして頂けると幸いです。

ご清聴頂きましてありがとうございました。

UNICORNにご興味のある方は下記よりお問い合わせください。

PubMaticについて

PubMatic(Nasdaq:PUBM)は、デジタル広告の未来のサプライチェーンを提供することにより、顧客価値を最大化する独立したテクノロジー企業です。 PubMaticのセルサイド・プラットフォームは、オープンインターネット上の世界有数のデジタルコンテンツクリエイターが、在庫へのアクセスをコントロールできるように、また、マーケターがROIを高め、広告フォーマットやデバイス全体でアドレサビリティのあるオーディエンスにリーチを可能にし、収益性を向上できるように支援します。2006年の創業以来、当社のインフラストラクチャー主導のアプローチにより、リアルタイムでのデータの効率的な処理と活用を可能にしてきました。スケーラブルで柔軟なプログラマティック・イノベーションを提供することで、お客様の成果を向上させるとともに、活気と透明性のあるデジタル広告のサプライチェーンを支援しています。