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8つの主要アプリジャンルからみる、Apple Search Ads 検索結果広告のベンチマーク — アプリジャンル別の主要指標まとめ Vol.4

今回の記事では、Apple Search Adsにおける各アプリジャンル別の“主要指標”を、ベンチマークとして皆さんと共有させて頂きます。
過去にも、下記の期間を対象としたベンチマークを公開させていただきました。

▼2020年12月〜2021年5月

▼2021年6月〜2021年12月

▼2022年1月〜2022年6月

今回は、アップデートとして2022年7月〜12月までのデータを集計し、更新させていただきます。
前回公開した記事でも記載致しましたが、本データの公開の意図は下記の通りです。このような疑問や困りごとを抱いている方も多いのではないかと思い、共有をさせていただきました。

・Apple Search Adsのベンチマーク的な指標はあまり公開されていない。

・同ジャンルの他のアプリは、どれほどのパフォーマンスが出ているのだろう?

・ 今、自社で出している数値は、最大限なのだろうか?それとも、もっと改善する余地があるのだろうか?

・ Apple Search Adsを検討中だが、他の広告に比べ、CTR, CVR, CPAなどが改善できるイメージがまだ沸かない。

なお、Apple Search Adsのパフォーマンスは、関連性のあるキーワード、予算感、目標獲得単価、スクリーンショット、セグメント活用などによって、成果が大きく異なります。そして、今回の調査データは、それぞれ異なる条件にある各キャンペーンを一括りにしているため、必ずしも皆さんが取り組まれているキャンペーンと同じ数値が出るとは言えません。

しかしながら、自社のデータと比較しての参考値、そして改善する余地のある指標などを考えてみる良いきっかけとしては、ご活用頂けるかと思います。ぜひご参考ください。
※UNICORNが独自に調査したものとなります。

今回の調査は、2022年7月から2022年12月までの6ヶ月間、UNICORNのApple Search Ads最適化エンジンにより国内向けに配信した、59個のアプリを調査対象にしています。
分析したデータは、下記の8つのアプリジャンルになります。なお、こちらの各ジャンルは、弊社にてアプリの内容を確認した上で、独自で分類したものになります。

前回までの調査では「MUSIC GAME」というジャンルのデータを公開しておりましたが、配信しているアプリのデータが減少していたため、今回の記事からは省かせていただきました。
また、その代わりに「SPORTS」のジャンルを新たに追加をさせていただきました。こちらのアプリジャンルは、いわゆる”スポーツベッティング”と呼ばれるようなサービスジャンルも含まれています。

8つの各アプリジャンルにおける分析結果を上のようにまとめました。

イメージの左側はバブルチャートで、全てのジャンルの中で特定ジャンルが位置するポジションを表します。
横軸(x)はCVR縦軸(y)はTTR(タップスルーレート = CTR)の中央値で、これらが交差する位置に、該当ジャンルを円で表示しています。

右上は費用に関連する指標であり、CPT(Cost Per Tap = CPC)とCPA(CPI)を表します。そして、グレー色のボックスは該当ジャンルの90%のデータが含まれる区間を意味します。つまり、10%の極端なデータを除き、殆どのデータ指標はこの範囲であることを意味します。その区間の真ん中が中央値、左の下限が90%区間内の最低値、右の上限が90%区間内の最高値です。
右下は、TTRとCVRをブランドキーワードとそれ以外のキーワードで比較したバーグラフです。同じく、こちらにも中央値が使われています。

では、これからApple Search Adsにおける各ジャンルのベンチマークを見てみましょう。

8つの主要ジャンルから見るApple Search Adsのベンチマーク

▼RPG

今回の期間におけるRPGのベンチマークは、TTR(CTR)が7.29%、CVRが55.83%となりました。
CPT(CPC)のベンチマークは291円で、272円 ~ 310円の幅、CPA(CPI)は595円で、544円 ~ 645円の幅が形成されております。
キーワード区分による比較でブランドキーワードのTTRとCVRは、26.58%と68.38%、ノンブランドキーワードのTTRとCVRは、2.57%と25.00%でした。
半年前の結果と比較すると、TTR、CVRも全体的に改善をしておりますが、CPTの中央値が+20円とやや増加し、CPAの中央値が前回よりも+30円と上昇をしておりました。TTR、CVRが上昇していますが、CPTの入札相場単価の上昇なども考えられそうです。
引き続き、ゲームアプリでのRPGカテゴリのゲームの数は多く、市場全体での反響に合わせて相場が変動しやすいとも考えられますので、直近での相場感なども確認しながら、取り組むことが最適かと思われます。(本ベンチマークも参考いただければ幸いです)

▼MMORPG

MMORPGにおけるベンチマークは、TTR(CTR)が 4.00%、CVRは32.91%となっており、通常のRPGゲームに比べるとCVRがやや低めの結果でした。
CPT(CPC)のベンチマークは537円、CPA(CPI)は1,630円と、CPT、CPAどちらも全てのジャンルの中で最も高いジャンルとなりました。これは前回までの調査と同様の結果となっており、引き続き、入札の競争が激しいジャンルであるということがわかります。
また、前回の考察と同じ内容にはなりますが、MMORPGは、コアなゲームファンを獲得し続けているゲームジャンルです。そのため、ターゲットが多少狭くなるかもしれませんが、しっかりと入札強度を確保していく必要があるジャンルとも言えるでしょう。

▼ACTION GAME

アクションゲームのベンチマークは、TTR(CTR)が3.16%と全ジャンルの中央値よりも低めであり、CVRもやや低め40.58%を記録しました。
前回の結果と比較して、どちらも改善をしている状況です。
費用指標においては、CPT(CPC)、CPA(CPI)ともに最も低い位置にポジションされております。CPTは266円がベンチマークで241円〜291円の範囲、CPAは706円がベンチマークで657円〜755円の範囲で獲得されています。こちらも引き続き、全ジャンルの中央値に近い結果で獲得ができているジャンルであると言えます。

▼BOARD GAME

ボードゲームのベンチマークは、TTR(CTR)が10.7%、CVRが75.11%と、両指標共に前回の調査の際の結果同様に、最も高い数値を記録したジャンルでした。
この影響は、費用的な部分でもプラスに働きます。CPT(CPC)は125円と全ジャンルの中央値より低い数値であり、またCPA(CPI)は104円〜218円の価格帯と、非常にコストが安い水準でユーザー獲得が行われています。このジャンルのゲームに関しては、積極的に投資していく事が大切といえます。

▼SIMLATION GAME

シミュレーションゲームは、TTR(CTR)が5.54%、CVRが41.11%となっています。TTRは全ジャンルの中央値と同じくらいですが、CVRがやや低い傾向を見せています。
前回から引き続き、CPT(CPC)とCPA(CPI)においては、それぞれ195円、473円となっており、アクションゲームジャンルの数値感と近い結果となっています。このジャンルは、各データによるばらつきが大きく、アプリによる好みが別れる傾向が強いため、このような結果になると考えられます。このジャンルにおいては、自社アプリの傾向を逐次確認し、必要な投資を行なっていく必要があります。

▼OTHER GAME

今までカバーした5つのゲームジャンルに含まれない、その他ゲームにおけるベンチマークです。TTR(CTR)は3.59%、CVRは44.26%と、全般的に低い位置でポジションされています。
CPT(CPC)は258円〜290円で価格帯が形成され、CPA(CPI)は519円~765円の間で獲得されており、結果のばらつきは多く見られる傾向があります。

▼NON-GAME

次はゲーム以外のジャンルです。TTR(CTR)は5.08%と全ジャンルの中でも低いですが、CVRは56.86%と高い水準です。
費用の観点では、CPT(CPC)が170円〜220円、CPA(CPI)が263円〜498円となっており、ゲームジャンルと比較すると、安価な獲得となっております。とはいえ、ゲーム以外のジャンルと言っても、それぞれ個別のジャンルが存在するため、偏差値のばらつきはあります。
また、アプリ自体のマネタイズの観点から考えると、目標とするKPIなどが低めに設定されているアプリが多いと思われます。こうした特異なジャンルであることも、要因の一つだと想定しています。

▼SPORTS

最後にスポーツのジャンルになります。ここでは主に「スポーツベッティング」のアプリジャンルのデータとなります。
TTR(CTR)は7.71%、全ジャンルの中でも低いですが、CVRも63.45%と高い数値をマークしています。
しかし、CPT(CPT)やCPIは、他ジャンルと比較しても相当高い金額感となっています。
該当ジャンルに関しては、ユーザーLTVも高く、ユーザー獲得における目標単価設定も高い状態です。そのため、競合サービス間での「ユーザーの取り合い」が起こっている可能性も高いと言えます。
その結果、他ジャンルに比べて、費用の観点では大きく差が出ているのだと考えられます。このジャンルにおいては、ユーザー獲得のためにしっかり投資をする必要があります。

以上、Apple Search Adsにおける主要指標のベンチマークを、各アプリのジャンル別にUNICORN上のキャンペーンに関して調べてみました。

自社のデータと比較することで、参考値や指標改善の予知などを考えてみるきっかけになれば幸いです。

なお、冒頭でお伝えさせて頂いた通り、目標獲得単価、関連性あるキーワード、予算感、スクリーンショット、セグメント活用などによって成果が大きく異なりますので、必ずこのような結果になるという話ではありません。この点はご了承ください。

※付録資料として全ジャンルのTTR、CVR、CPT、CPAのポジションと、数値などを一覧で整理したグラフを添付させて頂き、本記事は終わりにさせて頂きます。最後までお読み頂き、ありがとうございました。


UNICORN

デジタルマーケティング業界の指標となるべくして生まれた「全自動マーケティングプラットフォーム」です。DisplayやApple Search Ads、OTT/CTVへの配信にご興味がある方はお気軽にお問合せくださいませ。


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